スポンサーサイト
- --/--/--(--) -
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事のURL | スポンサー広告 | ▲ top
星の子供 童話
- 2016/06/15(Wed) -
星の子供はある日、月のしずくとともに生まれました。

星の子の瞼は月のあかりで眩しすぎて開くことはできません。

そこでやってきた夜風の女神は、ふうっと息吹でうっすらと雲を運んできて

そっと頬をなでて星の子供の瞼を上げさせました。

なので、星の子供が初めに見たものは、まん丸のおぼろ月でした。

そのおぼろ月はちょっとだけ雲間から顔を覗かせ、言葉をかけます。

「星の子や。星の子。あなたはこれから地球の空をわたしと飾る存在になるんだよ」

星の子供は夜風の女神が美しく微笑むよこで、まんまるいお月様を見つめます。

「ぼくは星の子なのですか」

自分の姿がわからないのです。そうすると、夜風の女神は群青色のビロードの裾を広げて森を指示します。

「下をごらん。ほうら。森に湖があるでしょう。あなたの姿もお月様もうつっておりますよ」

星の子供は瞬きをするごとにきらきらと光り、それを探します。

すると、静かに水をたたえる湖に輝くお月様を見つけました。

「わあ。お月様がお二人もいらっしゃる」

星の子供はきらきらと微笑んで、そしてうなづきました。

「あなたはあのお月様の近くで光っているものですか」

女神は微笑んで言いました。

「いいえ。それはあなたの姿。わたしの姿は湖には映らないのです」

「なぜです」

子供らしく不思議に思って女神に聞きます。

「だって、あなたはぼくの頬をなでてくれて、雲を運んでいるというのに」

夜風の女神はうっすらと月と星の明かりで肌を白く浮かび上がらせ、黒い長い髪をゆらありと夜空になびかせて風を世界に送っています。

「もしもわたしが水の精霊と踊るのならば、少しはわたしを見ることが出来るのです。台風という名のダンスをね」

「それをぼくは見れるの?」

「それは難しいことかもしれないわね。なぜなら、嵐のときには地上は厚い雲に覆われ、わたしの力が最大限に発揮されているときでもめったに星は地上に姿を現さない。そんな時も、寄り添ってあなたと輝いて雲を照らしてくれているのが、お月様なの」

「難しいんだね」

星の子供はお月様を見ながら言いました。

するとお月様はどんどんと星の子供と一緒に山へと近づいていきます。

さきほどまでの湖のある森から離れていき、夜風の女神は手をゆったりと振り、だんだんと遠くなって流れていきます。

「また会いましょう。さようなら」

星の子供は月とともに夜風の女神の裾を照らしてから、山の峰の深い雪を光らせはじめました。

すると月を見上げる動物たちは夜に潜んでいます。

とてもそれは綺麗な声だと星の子供は思いました。

凍てつく空気は冴え冴えと星と月を光らせます。

山を越えて平原が現れました。

平原を風が走っていくので、夜風の女神だと思ったのですが、どうやらまた別の子たちのようです。

なぜなら、風となった妖精たちがかけっこのように吹き込んでいくからです。

星の子供は楽しげにそれを見ていました。

時々風の妖精たちはくるくる手を取り合って回転しています。

平原を越えると再び湖が見えてきました。

「お月様。湖です」

お星さまは気がはやって湖に近づこうとしますが、そうは早くはいけません。

ゆっくりゆっくりと移動していきます。

すると、星の子供はお月様の姿を探しました。

「あれ。お月様はどちらへいかれたのかなあ」

そこには、星の子供の横にお月様はいませんでした。

その代わりに、星の子供と同じ、星が渦を巻くかのように満天に広がっていたのです。

驚いた星の子供は振り返りました。

すると、自分は同じような星たちの囲まれていたのです。

「こんばんは。こんばんは。僕らの仲間よこんばんは」

星の子供は笑顔になってきらきら瞬いて、星の仲間たちとともに夜を飾りました。

「あなたたちはお月様をご存じ」

「お月様をみられるのは、僕らのうちにも限られているのだよ。金星や、火星などね……」

「僕はそれなら誰なのだろうか」

「これからわかることさ。きみはきみのままで光っていればいいのだから」

「名前よりも、大切なことがある。存在というものは、そういうものなのだよ」

星たちは、きらきらと瞬きます。

きらきらと瞬きながら、星の子供に今まで照らして見てきた地球の美しさを教えてくれます。

唄に乗せて。らららと歌って。

それは明け方の朝ぼらけの時間まで、ゆっくり、ゆっくりt続く時間なのです。




スポンサーサイト
この記事のURL | 詩みたいな | CM(0) | ▲ top
<<人間の声の不思議 | メイン | ハッシュポテト>>
コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top
| メイン |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。